洋書チャレンジ! Midge Ure ‘IF I WAS…’編 パート3

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 こんにちは。なにわt4eです。洋書チャレンジ”If I was”編、3回目を数えます。今回は第2章・第3章、いよいよミッジ・ユーロが音楽の大海へと漕ぎ出します。船は豪華客船か、はたまた手製のヨットか?

※お断り
 洋書チャレンジの記事において、引用文は特に断りがない限り全て私の訳です。

目次

ミッジ・ユーロの音楽環境

 いわゆる音楽一家ではないものの、彼の周りには常に最新の音楽がありました。音楽に触れる手段は主にラジオ。

私の両親はフランク・シナトラ以外受け付けないような石頭ではなかった。母は30代になったばかりで最新のポップ音楽を好んでいた。父はアンディ・ウイリアムズに夢中だった。ある年のクリスマスにボビー(引用者注:ミッジ・ユーロの兄)はビートルズのアルバムを、私はアンディ・ウイリアムズの『ハワイアン・ウェディング・ソング』をプレゼントしてもらった。父はハワイアンギターが大好きだったので、私はいつもこのレコードは誰のためのものやらと思っていた。(P.15)

 フォーククラブで「私の一番の親友」と呼ぶジム・ポッターと出会い、少しずつ音楽を始めたミッジ・ユーロ。彼に兄のボビーがこう促しました。

ボビーは(兄の方から話しかけることは珍しかった)「バンドのシンガーになれよ、お前が知ってる誰よりも適任だぜ」と言った。私は自分の声は高すぎると言ったが彼は意に介さなかった。「イエスのアンダーソンってやつはどうだよ? ものすごく高い声じゃないか」(P.17)

 アンダーソンとは、イギリスの超ベテランプログレッシブ・ロック・バンド、イエスのシンガーを長年務めたジョン・アンダーソンのこと。ヴィブラートをかけない澄んだハイトーンヴォイスで有名です。二人のやり取りからすると、ミッジ・ユーロの若い頃は男性のハイトーンは珍しかったようですね。彼の美声を物語る、こんなエピソード。

私は朝の新聞配達をしていたが、その時によく「霧の中のジョニー」(あるいはその時々の最新ヒット曲)を歌いながら歩いたものだ。誰からも文句を言われなかったし、とても気持ちよく起きられると言ってくれる人さえいた。(P.17)

 しかしミッジ・ユーロの心はどちらかと言うとギターにあったのかもしれません。

次のエリック・クラプトンを目指すか次のスティーヴ・マリオットを目指すか決めかねていた。(P.18)

最初の一歩

 そんな彼にチャンスが訪れました。サルヴェイションというバンドを主催していたマッギンレー兄弟が彼に声をかけ、週25ポンドでギタリストとして雇ったのです。父さんと母さんは何と言うだろうかと思いつつミッジ・ユーロが打ち明けると、二人は話し合った末に彼の決断を応援してくれました。ミッジ・ユーロ、プロとしての第一歩。
 しかしやはり順調満帆とはいかず、お金にならなかったり不良に絡まれたり。とは言えこの頃はデヴィッド・ボウイ、クイーン、ロキシー・ミュージックなど革新的なミュージシャンが多数現れ、ミュージックシーンはまさに才能の大爆発! これがミッジ・ユーロにとって大きな刺激であったことは想像に難くありません。また、ポップ・ミュージックにおけるファッションの重要性にもすでに気づいていたとも彼は語ります。ウルトラヴォックス時代のミッジ・ユーロがファッション面でクラーク・ゲーブルの影響を受けていたことはよく指摘されますが、これもその表れ? やがてサルヴェイションはスリックと改名、10代向けポップバンドとしてヒットを飛ばしました。(Slikなのにずっとシルクと読んでた…)

とは言え当時のギャラとしては大金だった。1000ポンドの小切手なんて初めて見た。(P.30)

新しいもの好き

 そのお金で彼はごく初期の、1時間しか録画できないヴィデオデッキを購入しました。彼は新しいもの好きらしく、こう続けます。

初めて買った携帯電話の値段は2000ポンドで、レンガにアンテナをつけたような見た目だった。誰かから着信があろうものなら、電話ボックスという聖域に逃れて応答するまで鳴らしっぱなしで恥ずかしい思いをしていた。(P.31)

 これが2023年時点での日本円なら約37万円なのだから、いかにミッジ・ユーロが新しいもの好きだったかがうかがわれます。後期ウルトラヴォックスがシンセサイザーを多用したのも彼の影響でしょうか?

 次の第4回もご期待ください!

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この記事を書いた人

名もなき大阪人、主食は本とマンガとロックです。

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