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こんにちは。なにわt4eです。洋書チャレンジ、5回目となりました。第6章、パンクの嵐吹き荒れるロックシーンに大きな変化が起こります!
※お断り
洋書チャレンジの記事において、引用文は特に断りがない限り全て私の訳です。
パンクからニューウェイヴへ
1970年代後半のイギリス、潮流はギターを荒々しくかき鳴らすパンクからシンセサイザーを活かしたニューウェイヴへと移りました。一因に、それまで超高級品だったシンセサイザーが安くなったことがあると言われています。
「クソ高ぇシンセなんか使ってられっか! あるもんで何かやろうぜ!」
というDIY精神からスタートしたパンクミュージシャンが
「シンセ安くなってんじゃん! これで何かやろうぜ!」
と考えるようになった、というわけです。パンクから出発したジョイ・ディヴィジョンがイアン・カーティスの死を経てニューウェイヴの申し子ニュー・オーダーに変わったことがその典型でしょうか? ミッジはミッジでシンセサイザー・ギターという新楽器と出会いました。
初期のトゥモロウズ・ワールド(引用者注:イギリスのTV番組?)でシンセサイザー・ギターを見た時のことは今でも思い出せる。オルガンのような音を出せるよう作られたギターだ。この機械は単に他の楽器に対抗できるだけでなく、過去に聞いたことがない新しい音を作りだせる気がしてならなかった。
当時はシンセサイザーは人間味がなくて冷たい、あんなのは本当の楽器じゃないと言われていた。ばかばかしい。それはクラフトワークが意図的に演出した、冷徹で機械的なイメージによるものだ。ひとたびシンセサイザーを手に入れれば全く容易に変わった奇妙な音が作れるものだから、シンセはそういう音を出すものだとみんな思い込んでしまうのだ。(P.52)
新しい物好きなミッジ・ユーロならではの嗅覚であり考察ですね。事実、のちにウルトラヴォックス加入後1作目にして代表的な名作『ヴィエナ』では、おそらくこのとき彼が見たものよりも発展したシンセサイザー・ギターを駆使しています。
ミッジが参加していたパンクバンド、リッチ・キッズもこの流れに影響を受けました。
「マーチング・マン」ではストリングマシーン(引用者注:弦楽器の音を表現できる一種のシンセサイザー)をわずかに使ったし、シンセサイザーも使った。アルバムのプロモートツアーに出るときはシンセサイザーを持参したので、「マーチング・マン」で自分のパートを演奏することができた。(P.53)
ヴィサージからニュー・ロマンティックへ
やがてミッジとラスティはウルトラヴォックスからビリー・カリーを、他にジョン・マッギオーク、デイヴ・フォーミュラ、バリー・アダムソンを招いてヴィサージを結成。ヴィサージはのちにニュー・ロマンティックという流れが生まれるにあたって大きな役割を果たすバンドとなりました。ニュー・ロマンティックとは、私なりに定義すれば「当時の最新テクノロジーを強調したダンサブルな音楽性と個性豊かなファッションを特徴とする音楽」です。
少しややこしいんですが、ミッジ・ユーロはシンガーでありリーダーのジョン・フォックスとギターのロビン・サイモンが脱退した後に途中参加でウルトラヴォックスに加入したのです。で、ヴィサージ結成はその前の話。ミッジ・ユーロ加入後のウルトラヴォックスもニュー・ロマンティックのバンドとされることがあります。
次の第6回ではミッジ・ユーロがある大物バンドに参加します。盟友と苦楽を共にし、そして…。
どうぞお楽しみに!
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