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(架空の人物・美濃達夫さんに本書をご紹介する、という設定で書いております)
先日は私の好きな音楽の話にお付き合いくださり、ありがとうございました。おすすめしたレッド・ツェッペリンや四人囃子など、気に入っていただければ嬉しいです。 さて、お仕事のことをお話しでしたね。深刻に悩んでるわけではないけど自分は少々引っ込み思案なところがあって、快活でためらいなく発言したり行動したりできる同僚と比べると損をしているかもしれない、そんな風におっしゃっていたと記憶しています。私のアドバイスでよければその時にお話しした通りですが、この本はさらにお役に立つと思います。ジル・チャン『静かな人の戦略書』です。
概要
この本は現代社会、特にビジネスシーンでは何かと割を食いがちな内向型の人に寄り添い励ましてくれますが、そこにとどまりません。『戦略書』と銘打つだけあって実践的なヒントも満載です。新しい環境になじむ方法、電話をどう利用すべきか、イベントに楽に臨む方法、SNSの活用法など。 著者ジル・チャンは本人いわくコーヒー代のおつりが間違っていても言い出せないほどおとなしく内向的な人物ですが、外向型社会の極めつけともいえるアメリカで目覚ましい成功をおさめています。それだけにこの本は非常に説得力があります。
要約
・静かな人は仕事においてどんな戦略を立てればいいか?
・静かな人は人間関係をどう扱えばいいか?エネルギーの消耗を抑える方法は?
・静かな人は人前でどんな振る舞いができるか?
・静かな人の「謙虚さ」に潜む力とは?上司から正当な評価を得るには?本当にリーダーに適した人材とは?
特徴
・内向型の人と外向型の人が大きく異なる点として「元気を取り戻す方法」をあげている(「独特の『脳の特徴』を武器にする」P.78~79)
・数字に表れない貢献を指摘している(「『謙虚さ』こそが成功をもたらす」P.276~284)
・内向型の人が持つリーダー向きの資質にスポットライトをあてている(「『静かな羊』がライオンを導く」P.330~338)
実践的なアドバイスの豊富さに加えて、これらも本書の大きな特徴ですね。二つ目についてはアメリカの心理学者アダム・グラントも『GIVE&TAKE 与える人こそ成功する時代』(←当ブログの紹介記事に飛びます)でこれに近い指摘をしており、そちらも大変面白い本なので別な機会にご紹介したいと思います。
感想
一言で言って、大変面白かったです。内向型の人にはこんな力があるんですよというたぐいの本はいくらでもありますが、励ましや慰めに終わらず体験に裏付けられた具体的なノウハウや独創的な視点が満載なので類書とは一線を画しています。特に面白いと思ったのはこの場面です。あるとき著者は野球場で働いていて、同僚たちの分も含めて宅配ピザを電話で注文することになりましたが、相手は野球場の場所を知らないという。ただでさえ苦手な電話で、だいぶ上達したとはいえ外国語で、届け先を説明しなくてはならないの!?自分の手には負えないと見て著者は同僚に電話を代わってもらいました。その時を振り返ってこう書いています。
「内向型の神経伝達物質系を見てみると、内向型の脳は即座に反応するのが得意ではないことがわかる。そのため、不確かな状況に対応しながら、二つの言語間で通訳をしなければならないような場合、内向型の脳は過負荷(オーバーロード)になってしまうのだ」(P.67)
美濃さんは「苦手なこと」を「能力の低さの証明」と思ってしまうことはありませんか? そうではなく脳のタイプが違うだけなんだ、だからそんな自分の特徴を理解して自分にできる方法で働いていこう、そう著者は述べています。この時の著者にとって自分にできる方法は「できないことは人に頼む」だったわけですね。
まとめ
「人間社会が興味深いのは、サバイバルの方法や成功する道筋はいくつもあるということだ。それはどんな職場にも当てはまる」(P.338、強調は原文のまま)
方法や道筋をどう見つけるかは読者次第かもしれませんが、『静かな人の戦略書』はそのヒントを示してくれます。内向型の人にとって大変心強い、懐刀にすらなりうる一冊です。
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