「こんなん読んだで!」成長日記9

2024/4/18
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目次

ごあいさつ

 いつも本ブログをお読みくださり、ありがとうございます。なにわt4eです。読者さん来訪ありの日が成長記録8から9の間で30日続きました! 今のところ最長記録です。ご来訪の皆様、本当にありがとうございます。  

 今後も一緒に読書を楽しんでいきましょう!

成長日記9回目に至るまで

成長日記第8回と今回の間に上げた記事は以下の通りです。(全て本ブログの記事へ飛びます)

『拳奴死闘伝セスタス』第1巻(技来静也)運命を拓け! 二つの拳で!
『ピースマンのチョキチョキなんてこわくない!』(さく・あかまつりゅうじ え・ただふみひこ)スマイルカットってなんだろう?
『幼年期の終わり』(アーサー・C・クラーク)宇宙人との平和な出会いは人類の運命をどう変えた?

 『拳奴死闘伝セスタス』はかねてより取り上げてみたかった作品です。私自身が本作の大ファンですし、これほどの名作を「知る人ぞ知る」にとどめておくのはあまりにももったいない!

 『ピースマンのチョキチョキなんてこわくない!』こういう風に散髪が苦手な子どもがいることって、知る機会が少ないのではないでしょうか。お話がおもしろいのに加えて大きな発見にもつながる絵本です。

 『幼年期の終わり』これほどスケール壮大で詩的な文学作品はそうそうめったにないでしょう。

読書のバリアフリーって?

「なにわt4eさん、少し前に重度障害のある人が書いた小説が話題になりましたね」

 ああ、市川沙央『ハンチバック』ですね。第169回芥川賞を受賞してました。

「その人が読書におけるバリアフリーということを言ってたと思うんですが、どんなことを言ってたんでしょうか?」

 『ハンチバック』で市川氏は主人公にこう語らせています。

こちらは紙の本を1冊読むたび少しずつ背骨が潰れていく気がするというのに、紙の匂いが好き、とかページをめくる感触が好き、などとのたまい電子書籍を貶める健常者は呑気でいい。(中略)ヘルパーにページをめくってもらわないと読書できない紙の本の不便を彼女はせつせつと語っていた。(P.34~35)

 市川氏はネットインタビューでもたびたび同じ趣旨のことを話してます。また作中でも指摘されてますが1975年に、紙書籍の朗読を録音して視覚障害者が読書できるようにした文京区立小石川図書館の試みが著作権侵害として日本著作権保護同盟からクレームを受けた「愛のテープ事件」もありました。

「なにわt4eさんはそれを読んでどう思われましたか?」

 電子書籍が読書のバリアフリー化を推進するという観点は恥ずかしながらなかったので、大いに勉強になりました。電子書籍化や電子書籍を読める端末の普及はどんどん進めて欲しいと思います。
 ただ誤解してほしくないんですが、紙書籍派は何も紙の匂いがどうとかページをめくる感触がどうとか、そうしたロマンチックな理由ばかりで紙書籍にこだわっているとは限らないんです。

「では、どんな理由ですか?」

 私は圧倒的に紙書籍派なんですが、主な理由は以下の三つです。

1.電子データとしてモニター画面で読むと頭に入りにくい。
2.紙書籍でないとサイドラインを引いたり書き込んだりしにくい。
3.紙書籍なら目印としてページの端を折ることもできる。

 まず1.ですが、光の性質上自分の頭で咀嚼しつつ読むには紙が適しているという研究結果もあります。2.と3.はどちらも電子書籍でも似たことは可能なんですが、直感的と言うかさっと手早くするには紙の方がやりやすい。
 つまるところ、両方必要というだけだと思うんですよ。紙書籍派は健常者優位の考え方をしている、と市川氏がもし考えているならそれは誤解だと言いたいです。

「…読書のバリアフリーと言ったら、読むことだけじゃないですよね」

 どういうことですか?

「ジュンク堂みたいな大型書店とか図書館の本棚って大きいでしょう? 高さもあるし」

 ええ。

「そういうところで、例えば車いすユーザーが自由に本を選んだり手に取ってみたりするのは難しいんじゃないかと思うんです。ヘルパーさんが一緒にいたとしても、興味を感じた本を片っ端からとってもらうとかめくってもらうとかするのは気が引けそうですし」

 そういうことはあるかもしれませんね。

「そんな時に、リフトで天井から安全にぶら下げてもらって、かつそのリフトで自在に店内を移動することができたら、車いすユーザーが本棚の高いところにある本を自由に手に取ることも出来るんじゃないでしょうか」

 本選びのバリアフリー、ということですか?

「そうです」

 確かに、読む本を自分で自由に選べることも大切ですね。そうした観点のバリアフリー化も今後進んでほしいと思います。

 それでは次の記事にてお会いしましょう。ご来訪を心よりお待ちしております。

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この記事を書いた人

名もなき大阪人、主食は本とマンガとロックです。

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