『その絶望感って、本当は心のまぼろしじゃない?』(ぱやぱやくん)正体が 分かってしまえば 怖くない

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ぱやぱやくん『その絶望感って、本当は心のまぼろしじゃない?』─思い込みに気付こう─

「絶望感」。できることなら一度も感じることなくすませたいけど、たいていの人が一度や二度は感じたことがあるでしょう。

 でも、もしそれが「心のまぼろし」だとしたら? 少し考え方を工夫するだけで、「心のまぼろし」を晴らすことができるかもしれません。

 私自身も、しんどいな~辛いな~と感じる時にこの本をひもといています。すると心がラクになって「よし、もう少しやってみるか」という気持ちになれるんです。

 ここでご紹介する一冊は、Xフォロワー29万人のぱやぱやくんが自衛隊経験や海外放浪経験などから編み出した「不安や悩みがすぐに消える41の方法」をあなたに伝えてくれます。

 本書を読めば、今あなたを悩ませている絶望感やストレス、プレッシャーから自由になれて心の健康度が格段にアップするでしょう。


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美濃達夫さんとの会話

(架空の人物・美濃達夫さんに本書をご紹介する、という設定で書いております)

「なにわt4eさん、先日は私が悩みを聞いていただきましたが、今回は取引先の方のためになりそうな本を教えて頂きたいんです」

 と、おっしゃいますと?

「詳しいことは伏せさせていただきますが、いくつか不安に感じておられることがあって、そのせいか酒量も若干増えているんだそうです。笑って話してはおられましたが、何かお力になれればと思いまして」

 そうなんですか。それでしたら、ぱやぱやくんの新刊はどうでしょうか。

「前にご紹介いただいた「社会という戦場では『意識低い系』が生き残る」(←本ブログの紹介ページへ飛びます)の著者ですか」

 そうです。これも非常におもしろい本ですよ。

「どんな本ですか?」

絶望感の正体─思い込み

 私たちが時に感じる絶望感って思い込みじゃない? という問いかけから始まって、絶望に陥るパターンとか対処法を述べた本です。

私も実はよく「これでは無理だ」「もうダメだ…」と何回も挫折し、心が折れています。ただ、その状況から立ち直るたびに「その絶望はただのまぼろしだったな」と実感するのです。絶望にはいくつかのパターンが存在し、そのパターンを理解していれば、「自分はただの思い込みで苦しんでいた」と実感し、苦しい状況から立ち直ることができます。(P.3、強調は原文のまま)

各章の見出しは以下の通りです。

 第1章:「もうダメだ」と思ってしまうときは、パターンが決まっている
 第2章:世の中は大したことない人ばかり、人の目ばかり気にするのはやめよう
 第3章:本当にもうダメなの?
 第4章:幸せなことに慣れてはいけない

「分かりやすい見出しですね。これを読んだだけで何となく想像がつきますが、絶望のパターンって何ですか?」

 著者は5つ挙げています。

絶望のパターン5つ

 ・手元にお金がない
 ・体調が悪い
 ・他人と話さない
 ・どこにも行かない
 ・知識を得ない

 あまり詳しくお話しするとネタバレになってしまうので、4つ目の「どこにも行かない」(P.32~34)についてだけお話ししましょうか。著者は都心部の駅近物件に住んでいた時期があり、そのころは在宅勤務の影響もあって冗談抜きに半径500メートル以内であらゆる用事が住む生活をしていたそうです。

「へえ、便利でうらやましいですね」

 そう思いますよね。ところが著者は数か月で見事にメンタル不調に陥ったんです。

「それはまたどうして?」

 狭い範囲に閉じこもるような生活で、思考も狭くなってしまったためです。そこで著者は移動距離を重要なファクターとしてできれば海外、それが難しければ国内旅行を勧めています。旅行が無理なら電車で普段は降りない駅で降りて散策するのもいい、とも述べています。

「確かに一日中家にいたらそれだけで気分がくさくさしますし、決まった範囲だけで暮らしていたら気分が変わる機会も減りますね。普段行かない場所に行くだけでも気が晴れるし、何かを考えている時だったらいいアイデアが浮かびそうです」

 そうですよね。他のそれぞれについても著者は乗り越える方法を書いていて、どれも説得力がありますよ。

「自分はダメだ」と絶望したら─揃いも揃ってみんなダメ

『闘う女。』(←本ブログの紹介ページへ飛びます)をご紹介いただいたときの私は、絶望とまではいかないものの周りの人たちと自分を比べてかなり落ち込んでました。ぱやぱやくんならどう対処するんでしょうね?」

 それについてはこんな風に書かれてます。

もし、自分は情けないと思ったときは、こう考えてみるといいでしょう。「みんな違ってみんないい」だけど「揃いも揃ってみんなダメ」と。(P.95)

 誰だって欠点や情けないところはあるもんですよ、ということですね。そしてこう続けています。

色々と悩んでしまう人はこう思ってみるといいでしょう。
「かっこ悪くてもいい、情けなくていい、仲良くなれなくていい」と。そう思ったときに、あなたはきっと「最高に自分らしい姿」になって魅力的になれるはずです。いっそのこと、ダメなところや、かっこ悪いところ、情けないところをもっと見せつけてやりましょう。そういう姿に人は惹きつけられるものですよ。(P.96~97)
私自身もSNSインフルエンサーとして活動し、複数の書籍を出版していますが、正直なところ、周りが私を「すごい人物」と持ち上げる理由がわからないことがあります。(中略)多くの場合、成功するかどうかは、「少しの行動」や「ちょっとした運」が大きな影響を与えることがあります。(P.99~100)

 どうでしょう? こう考えてみると、他人を必要以上に大きく考えて落ち込むことがどれだけ理屈にも現実にも合ってないか実感しませんか?

「なるほど、意外とみんな大したことないんですね。そう思えば気が楽になります」

 まあ、私も他人と自分を比べて落ち込むことはありますけどね。それでもこういうことが分かっているかいないかの違いは大きいと思います。

感想

「なにわt4eさんはこの本を読んでどう思われましたか?」

 一番心に響いたのは先ほどの「他人も意外と大したことない」というくだりなんです。こういう本を読むだけあって私も自分と他人を比較して落ち込むことは少なくないのですが、言われてみると腑に落ちるんですよ。

「日本だけでも1億2千万の人がいるって言うのに、その中で自分一人だけレベルが低いなんて、よく考えると支離滅裂ですもんね」

 また、著者は第3章「本当にもうダメなの?」で無闇に自分を弱いと思っちゃいけないよ、とも言っています。ここも私にはとても響きました。

私は過去に自衛隊にいた、格闘技をやっていた、海外放浪を1人でしている、本を出版している、筋トレをしている、ランニングができる、などということを考えると、私は弱い存在か。おそらくそこまで弱くはないはず。だから大丈夫だ、と自分に言い聞かせています。(P.156)

「確かに、きちんと数え上げてみると自分は強いと考える根拠、少なくともそう弱くはないと考える根拠はいくつもあげられるのかもしれませんね」

 美濃さんもそうですよ。ジムでトレーニングしている、ボクササイズもしている、仕事も任されてる、部下もいる、取引先の方のために私に色々な本のことを聞いている、おいしいラーメン屋さんをたくさん知っている、私に分かるだけでもこんなにあります。

「ありがとうございます」

 後、「譲れる部分は譲る」という考え方も勧めているのですが(P.194)、ここは先日お話しした「社会という戦場では『意識低い系』が生き残る」と共通してますね。同じ著者だから当然と言えば当然ですが。
「おわりに」にはこう書かれています。

人生は辛いときに「もうダメだ…」と思ってしまうとそこで終了になってしまうので、さまざまな人に相談をし、見方を変えながら挑戦をしていくといいと思います。(P.206)

 つまるところ、これが著者の一番言いたかったことなんじゃないでしょうか。

「…ゆるいだけとか、意識が低いだけとか、そういうんじゃないんですね」

 辛いこともたくさんある人生を幸せに生き抜き、必要ならば戦うための戦略として「ゆるく」「意識を低く」ということを言っているのだと、私は解釈しました。戦いから降りて無気力に生きるのではなく。
 どうでしょう、取引先の方のお役に立てそうですか?

「ありがとうございます、喜んでくださると思います。さっそくお伝えしておきますよ」


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この記事を書いた人

名もなき大阪人、主食は本とマンガとロックです。

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