『経営理論をガチであてはめてみたら自分のちょっとした努力って間違ってなかった』(マンガ:さわぐちけいすけ 原作協力:入山章栄)あ、こんな考え方があったんだ!

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(架空の人物・美濃達夫さんに本書をご紹介する、という設定で書いております)

 先日は呼んでくださってありがとうございました。色々とお話しできて、とても楽しく過ごしました。お仕事も順調だそうで何よりです。ただ「仕事は嫌いじゃないし今のところこれといった問題もないけど、もっと楽しく働く方法があれば知りたい」とも仰ってましたね。もっと楽しく働く方法とは少し違いますが、『経営理論をガチであてはめてみたら自分のちょっとした努力って間違ってなかった』はどうでしょうか。働く中での色んな悩み・モヤモヤが経営理論でスッキリするという本で、いわゆる「あるある」的な悩み・モヤモヤがたくさん取り上げられています。美濃さんにも「あ、そう言えばこんなことあるな」というものがあるかもしれません。

目次

構成

 前半はマンガ+解説、後半はさらに踏み込んだ解説という構成です。例えば第1話。

 前半「すれ違う、リモート生活」マンガ4ページ+解説「このときのイライラを『感情のコミュニケーションの理論』にあてはめてみた」3ページ+後半「経営学者のつけたし解説その1 リモートだからこそ、あえて雑談してみよう」4ページ

 前半20話、後半19話なので前半の方が1話多いですが、前半の第20話はまとめ的な内容なので構成としては前半19話と後半19話でそれぞれ1対1対応しています。

土台になっている考え方

 「経営理論なんてスケールの大きな世界に私のささいなモヤモヤ・イライラなんてお呼びじゃないよね」「いえいえ、実は意外とハマってるんですよ」…こんな発想が本書の土台にあります。事実「はじめに」で入山氏はこう語っています。

「経営・ビジネスというのは、そもそも人がやっていること。(中略)人の本質は、大企業の経営者だろうが、イーロン・マスクだろうが、みなさんだろうが、変わりません。もちろん扱っている案件の大きさや金額に違いはありますが、本質を突き詰めると、誰もが似たようなことにモヤモヤし、イライラし、喜んで、悲しんでいるのです。それを言語化し、説明するのが経営理論です」(P.2~3)

ミスした落ち込みからなかなか立ち直れなかったら→「知の探索」
自分のしたいことがよく分かんなかったら→「暗黙知と形式知」
一念発起が三日坊主に終っちゃうときは→「経路依存性」
職場の雰囲気を変えたいなと思ったら→「インスティテューショナル・アントレプレナー」
いっそ会社を辞めて副業に専念しようかなと迷ったら→「リアル・オプション理論」

 などなど。

例えばどんなお話か

 リアル・オプション理論のエピソードでは、会社勤めのかたわら少しずつ副業を始めてこれならいけそうと判断してから退職してフリーランスになった早希と、早希に影響を受けて手始めにいくつか副業で案件を受けようとしたものの想像以上に大変で自分に合ってなさそうでもあるのでひとまず独立を見送った井上まりが登場。この二人のやり取りを軸にリアル・オプション理論を明快に解説してくれます。

感想

 私自身も日頃のモヤモヤが整理されて、もちろん万事解決とはいきませんがだいぶ頭の中がスッキリしました。どの話もとても気軽に読めるので再読しようと思えばいくらでもできるんですが、特に繰り返し読んでいるのはこの二つです。

・第10話「切磋琢磨がダメなんて…」。社内の競争で勝ち得たものを、会社の外では誰も必要としてないかもしれない。だったらどうするか?という「新レッドクイーン理論」
・第12話「退職前の辞めない選択肢」先に少し触れた「リアル・オプション理論」

 なにぶん不勉強なものでこの本に紹介されてる経営理論を私は一つとして知らなかったのですが、経営理論って実は私たちの強い味方かもしれません。

まとめ

 巧みな構成も手伝って、読みやすさと深掘りがうまく両立されてます。読んで楽しく、手ごたえ十分。美濃さんにも興味深く読めると思いますし、業種や職種を問わず働く人のご苦労をねぎらい新しい考え方を提供してくれる一冊です。「今のところ悩みや問題はないけど、悩みや問題が起きたときのために読んどこう」という読み方もできますね。 だからって、肩ひじ張って読まなくても大丈夫。「というわけで、とにかく気軽に、これから始まる4人のグダグダ話を追いかけ」(P.5)ればOKです。

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この記事を書いた人

名もなき大阪人、主食は本とマンガとロックです。

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